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きずなループ事業|企業・障がい者施設・地域が創り出す未来への環境プロジェクト。只今、廃電線を募集しております。

「きずなループ事業」参加のきっかけとこれから

福島熱血エコ通信
当社がきずなループ事業に参画したきっかけは、平成20 年に視察で行った中国で見た光景でした。そこでは日本から輸入された廃電線が山積みされており、周辺への環境負荷を何ら気にすることなく、銅を取り出す作業が行われていました。女性や子どもを含む作業者の方々が真っ黒になって作業を行っていた事が強く印象に残りました。

帰国後、日本国内でリサイクルにかけるコストがかさむために、品位の低い資源が中国に輸出されている事を知り、またのちに中国から飛来する黄砂や、そこに含まれるPM2.5 の問題などを知るにつけ、この責任の一端は「公害の輸出」を行ってきた私たち日本人にもあるのではないか、このままではいけないのではないか、と考えるようになりました。

しかし、具体的にはどうしたらよいのかがわからない、そんなもどかしい気持ちをずっと抱えていました。

東日本大震災の後で、福島県内の障がい者施設の方々が、仕事がない事でお困りになっているという事をお聞きした時、中国で見た光景――真っ黒になって働く女性や子どもたち、周辺の環境汚染――が頭によみがえりました。私の目の前には、障がいを抱えながらも仕事をしたい、社会に貢献したいと考える人たちがいる一方で、環境負荷を伴うかたちで国外に輸出されていく資源がある。それならば、輸出をやめて障がい者の方々にリサイクルの作業をやってもらい、その資源を極力国内で使うべきではないか?当時、子どもが生まれたばかりで「震災後の福島に生きるこの子たちに、私たちの世代はどんな未来を残せるのだろうか?」と思い悩む事が多かった私の胸中に、いつしかそんな想いがふつふつとこみ上げてきた事を今でもよく覚えています。

幸い、当社が立地する福島県会津地方は豊富な水資源と落差に富んだ地形がある事から明治時代から水力発電所が数多く建設されてきた経緯があり、当社では電力会社さんから払い下げられる廃電線を資源化する仕事をやってきたノウハウや、銅の販路などを持っていましたが、障がい者福祉については全くの無知でしたので最初はずいぶん苦労しました。

しかしながら、NPO 法人くるりんこさんとご縁をいただいた事で、福島県内の障がい者施設さんとのネットワークもできましたし、ちょうど時を同じくして、障がい者の方に安全に作業して頂けるリサイクル機器も登場してきました。そしてニュースレターやホームページによって「きずなループ事業」を知った多くの方々が原料である廃電線の提供というかたちでご協力・ご支援を申し出て下さいました。「きずなループ事業」関係者のひとりとして、この場を借りて心からの感謝を申し上げたいと思います。

当社は現在、各施設さんで資源化した銅をとりまとめ、地元の工場をふくむ国内ユーザー様へお届けしています。このところの資源価格の低迷により、廃電線買取価格が変更となったり、事業への参加を希望する障がい者施設さんに対して十分なリサイクル機器の台数が行き届かない等、まだまだ課題は尽きませんが、ご協力頂ける数多くの方々の想いを糧に「きずなループ事業」への取組みは今後とも続けていきたいと思います。

↓つづきはpdfでご覧ください。 福島熱血エコ通信 「くるりんこ NO.5」