きずなループ事業の意義
すでに述べたように、電気工事や建物の解体の結果発生する要らなくなった電線(廃電線)のうち銅の含有量が少ない細径廃電線は日本国内でリサイクルされず海外へ輸出されている事例が多くあります。
そうした細径電線は輸出先で再利用されるのですが、中には環境負荷の高い処理方法がとられる場合もあり(日本でもかつては電線を燃やして中の銅線を取り出す事が普通に行われていましたが、平成13年の廃棄物処理法の改正による野焼き違法化により現在は見かけなくなりました)、結果的に「公害の輸出」になってしまっている側面があることも事実です。
日本国内で細径電線のリサイクルが進まない理由は採算性にあります。時間と手間をかけて剥線作業を行うに見合う電線には、ある程度の銅歩留りの高さが求められます。残念ながら銅の含有量が低い細径電線においては、日本国内での剥線作業は「割に合わない」のが現状なのです。
一方、国内の障がい者施設においては「労働力としての障がい者」への評価が低いためか、仕事は慢性的に不足しており、「どのようにして仕事を継続的に確保するか」「いかにして安定的な工賃を確保するか」が障がい者施設の悩みのタネになっています。
一方では「割に合わない仕事」が海外に移転し、他方では「仕事がない」と嘆く人がいる。そんなミスマッチを埋めるところに「きずなループ事業」の意義があるのです。
前述のどおり、一般企業においては事業採算性の確保が難しい細径電線のリサイクルですが、意外にも障がい者施設が仕事にする場合には利点もあります。 例えば、銅は必要不可欠な資源であるため、いつでもどれだけの量でも「売れない」ということがありません。即ち納期・時間的制約がありません。 また障がい者の中には類まれな集中力を持っていたり、単調な作業にもめげない忍耐力を持った方々も多くおられます。そうした方々にとっては電線剥離の仕事はむしろ好ましいものなのです。
電線剥離(銅回収) -エコビジネスの現状と未来-
- 電線剥離事業を通じて大切な資源の地産地消に参画することで福島県の復興支援・地域貢献ができる。
- 障がい者施設や地域の方々と交流を持つことで、企業イメージのアップにつながる。
- 企業のエコ活動の一環として電線剥離事業をサポートできる。
- 海外に流出し公害にもなっていた電線リサイクルの仕事が国内で処理できることで国益につながる事業に参画するという意義が生まれる。 など。
- 電線剥離リサイクル事業を通じて大切な資源の地産地消に参画することで地域や企業の方達とのコミュニケーションが取れる。
- 毎月安定した仕事ができる。
- 障がい者様の収入の増加につながる。
- きずなループ事業を通じて色々な方達とコミュニケーションを取るという貴重な社会勉強ができる。など
- きずなループ事業をサポートするために企業内において窓口や担当者を検討しなければならないこともある。 → 事業の細かいご説明を致しますのでご安心ください。
- 障がい者施設とうまく連携・コミュニケーションが取れるのか不安がある。 → 仕事の直接のやり取りは必要ございません。
- 新しい仕事をうまく導入できるか不安。 → 細かいご説明を致しますのでご安心ください。
- 導入の際に障がい者様に指導する負担がある。 → 簡単な作業ですので安心です。
- 本当に利益になる作業なのか心配である。 → 薄利ですが利益になると考えております。仕事も継続してお願いして参ります。
新しい事業である「きずなループ事業」の電線剥離事業を進めるにあたっては、様々なメリット・デメリットが考えられます。
しかし地域の方々・一般企業様・障がい者施設様がひとつの輪を形成し、「きずなループ事業」に参加しているすべての方たちのご協力のもと、メリットは大きく、デメリットは縮小されていくと考えております。
まずはひとりひとりがお互いの利益につながるように、そして最終的には福島の復興・繁栄につながるような事業に成長させるよう一致協力していくことが大切だと私達は考えております。
廃電線から生まれるリサイクル銅の流れ
上記のビジネスを障がい者施設の方達に行って頂くことで右図のように地域・一般企業の方々にも利益が還元されて参ります。
地域・一般企業の皆様にご協力を頂き集まった廃線を環境NPOを通じて障がい者施設のメンバーの方々がリサイクル資源を生んで参ります。「きずなループ事業」という名前が示すようにひとりひとりの生み出す力は小さいかも知れませんが、お互い手を取り合いきずなを深めることで利益がループ(巡回)することになり、地元福島での地産・地消が可能となってくるのです。
- きずなループ事業実行委員会事務局
- 024-983-1211
- 受付時間 10:00~17:00(土・日・祝日除く)